旧)今日もヨミトル!

あなたがわかっていること、伝えたい

初めてケントさんとヨミトリした日(3) 迷い

こんにちは、たかぎ(@goisshoshimasho)です。 

「初めてケントさんとヨミトリした日(2)眠っているとは限らない」の続きです。

 

一刻も早くケントさんの言葉を読み取りたい!

読み取らなければ。

そう思いながら、同時に、

もし取れなかったら…という弱い気持ちがもたげました。

もケントさんが書けなかったら、

または、何らかの文字の信号が来ても、私がそれを読み取れなかったら、

このままケントさんはずっと思いを伝えられずに

閉じ込められたままで過ごすのか。

その現実を突きつけられたらケントさんは絶望してしまうのではないか。

 

 おそらくとても短い時間であったであろうその瞬間に

願いと不安と祈る気持ちが目まぐるしく巡りました。

 

でもケントさんの視線は私から逸れない。

 

やってみるしかない。

ずっと試行錯誤しながら一緒にやってきた小脳出血の美津恵さんとの取組みを思い出しました。

 

ケントさんともできるはず。

もし読み取れなくても

読み取れるまでケントさんのところに通うまでだ。

仲間なんだから、何度でもトライさせてもらえばいいじゃないか。

友として絶対にあきらめていない気持ちを伝えることが大切なんだと。

 

今、やるしかない。

 

 とにかく、ルミコさんに、私がこれからやろうとすることをお話しして了解を得なければ。

 

通常は、全身性の麻痺があり発話できない方と直接知り合うことは、その状況上不可能です。ご家族や支援者の方が「きっとわかっている」と信じて、ご相談をされて来られない限りは当事者の方とつながることはできません。

 

たまたまケントさんは、大切な友人であり、複数のNPOで共に活動する仲間であり、そしてその内の一つの団体では大きな行事を控えていて、携帯にはその連絡事項や打ち合わせの予定などの回覧メールも頻繁に入っていたため、ルミコさんはケントさんが関わっていた部分で運営上の支障や迷惑をかけてはいけないという気遣いで私に連絡をくれたのでした。

 

ヨミトリのこと、どのように話したらよいだろうか。

 

絶対読み取れるという確信はない。

やりますと言って、読み取れなったら?

 

また同じ迷いが。

 

ケントさんの視線は、

躊躇している私の方にずっと向いていました。

 

「大丈夫、やってみて」と言われているような。

 

ケントさんの目の光が私を一歩前に踏み出させてくれました。

私はルミコさんに言いました。

 

「あの、多分なんですけど、ケントさんと意思疎通できると思います」

 

   (続きます)

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